☠状態異常だけど☠

ばっちり慢性化したパニック障害を抱えた腐女子の日記。好き勝手に語りたいことを書き連ねます。

ダイの大冒険を読み返して【2】

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メガンテは…!

気軽に使って良い魔法じゃないんだな…(´;ω;`)

と改めて心に刻まれる内容でしたよね、バラン編。

 

もう、このシーン見ただけで涙が出るやつ。

前後を読んだら、咽び泣く。

それがバラン編。

 

そうだ、最初に言っておかねば。

画像検索等で探したんですが

竜魔人バランの配色が分かりませんでしたので勝手に色を付けました。

人間姿のバランのイメージからウロコは赤。

血液が魔族の蒼色ということなので、

肌はロン・ベルクやラーハルトを参考に薄い紫にしてあります。

 

公式の色が全く違っても許してやって下さい…!

どうしよう、肌色と緑とかだったら!

 

では以下、ネタバレ全開の感想と超個人的な考察入り乱れ文です。

 

バラン編はダイとバランの関係が明らかになり、

ダイの記憶が消去された時から本当に画面真っ赤の絶望感がありますよね。

 

ダイが記憶を失ったというだけで大ピンチなんですが

バランが竜騎兵を率いて向かってきていることを知ったポップが

あっさりと「自分を捨て駒にする」ことを心に決めているのが

今までの戦いを見てきた読者には

「ポップならダイの為にそうするだろう」という

納得と共に、更なる絶望を与えることに一役買っていると思います。

 

ポップは普段お調子者で明るくて、人一倍臆病なくせに

戦局が絶望であればある程、自分が生き残る選択肢を捨てちゃうんですよね。

 

クロコダインの時もですし

ヒュンケル戦の時はダイのサポートに徹することで

勝機を見出してますし。

 

ちょっと話がそれますが、ヒュンケル戦はポップの洞察力がないと

勝てなかったと思っています。

今まで誰も破ったことのない鎧の魔剣の弱点を看破したのは

ポップですもんね。

 

楽しく生きていたいけど、仲間やダイが死ぬぐらいなら

自分が死んでも彼らに生きて欲しい。

 

自分の命を軽く見ている感じがちょっと哀しいですが

だからこそ彼の魂の力が勇気なのかも知れないな、と。

 

バランはダイの記憶を奪った時の戦いで

為す術がない筈のポップが、それでもクロコダインと共に

立ちはだかったのを見ているから、

一人で自分を止めに来たポップを竜騎衆3人全員に任せて

 自分は離脱したんじゃないかと思っています。

 

物理的な戦闘力だけなら、ガルダンディーだけで充分と踏んでも良い筈ですが

あくまで全員でポップを始末しておけと。

結構な警戒具合ですよ、これ。

 

戦闘力だけなら、クロコダインの方を警戒しないといけないんですが

ポップの「人の心」を無意識に恐れたのかも知れません。

この頃のバランにとって、人の心に負けることは

何よりあってはならないことでしょうから。

 

後に大魔王さえ戦慄させますもんね、ポップの「人間の心」は。

 

そういえば何故、

駆け付けたヒュンケルは何故ポップの方へ来たんでしょうか。

単に駆け付ける際の通り道だったのか、

闘気を感じ取れる彼にはポップの危機が分かったのか…。

 

何にしろ、普段はヒュンケルに素直に接しないポップですが

ちゃんと彼を兄弟子として信頼している所がなんとも素敵です。

ヒュンケルの方も弟弟子をちゃんと認めているからこそ

ガルダンディーの始末を任せたのでしょう。

 

ダイとポップとはまた違う信頼の形ですよね。

 

 そして、絶望のバラン戦。

 

クロコダインがポップの心の真意を知って

自分の身を削る戦法を覚悟するシーンは

名シーンラッシュのバラン戦でも屈指の感動場面だと思っています。

 

最初はあんなにおっかない敵だったクロコダインが

非力で臆病な筈の駆け出し魔法使いに

二度も武人の心の曇りを拭われる。

クロコダインが仲間になってから

二人が気の置けない仲になるのに時間が掛かってないですよね。

 

自分の肋骨をボッキボキに折った魔物を「おっさん」と呼べるのは

ポップだけですし、

非力な魔法使いの苦悩や泣き事を黙って受け入れてやれるのも

クロコダインだけ。

 

 ……(´;ω;`)ブワッ

 

 このクロコダインの気持ちを当時のバランには理解出来ないのも

分かり易いですよね。

なんせ、実の息子の人間の心を捨てさせようとしてる人なんで。

 

この戦いは実によく計算されて描かれていると思うのは

クロコダインが姫のベホマを受けつつも

ギガディンを何度も耐えてる所。

 倒せる敵だと踏んでいたのに中々しぶといので

バランは魔法力を結構無計画に使ってるんですよね。

後半のガス欠も頷けます。

 

竜騎衆を倒した満身創痍のヒュンケルとポップの到着も

バランに動揺を与えていますし、

部下のラーハルトがヒュンケルに魔槍を託したというのも

衝撃でしょう。

 

そりゃあ、竜魔人にもなるってもんです。

言い知れぬ恐怖を感じたんじゃないでしょうか。

早く倒さねば、と焦ったのかも知れません。

 

そこからの絶望の連鎖と、ポップのメガンテの流れは

涙なしでは読めません。

 

記憶が戻らないまま、

何も知らないままダイが自分達の敵になるのだけは

許せない。

 

デルムリン島で育ったダイだからこそ勇者であることを

一番よく知っているポップには死ぬことより辛い。

 

大事な親友を守る為、

自分が敬愛する師と同じ道を選んだポップは

最もアバン先生の意志や心を受け継いだ弟子なのかも知れません。

 

当時のゲーム上では僧侶にしか使えない自己犠牲呪文、メガンテですが

作品上では魔力を扱えて、実行方法を知る者には出来る、という

設定の様ですね。

しかし、神の加護の有無で蘇生の有無が制限されている。

 

魔法使いのポップが使えば、下手すれば肉体はバラバラ

塵も残らないような生命を爆発させる技。

 

 アバン先生のメガンテと親友の姿をダブらせたダイが

ついに記憶を取り戻すものの、時すでに遅し。

 

ポップのメガンテはバランに振りほどかれ、彼だけが命を落とすという

絶望に拍車をかける展開が待っていました。

 

バランは荷物の様にぶら下げていたポップの遺体を

放り投げて、冷徹に「犬死にだ」と言い放ちますが

本当にそうかは読めば分かります。

 

ポップのメガンテはダイの記憶を取り戻す切っ掛けになり、

バラン自身にもある程度ダメージを負わせた。

よく見ると「無駄死に」的なことを言いつつ、

バランはポップに魔法力を注がれていた部分から血を流しているんですよ。

竜闘気で覆われて魔法は無効、

打撃も竜闘気を越える程でなければ届かない筈のバランが血を流している。

 

本人が言う通り、振り払ってなんとか直撃は免れたのかも知れませんが

何よりバラン自身の「人の心」にダメージを与えたと感じます。

 

復活したダイとの戦いで、

 完全に竜魔人として理性を吹き飛ばさないと戦えなかったのは

父だから。そして、人の心を揺さぶられているから。

そう捉えることが出来そうです。

 

メガンテのシーンも泣けますが、

更に心が熱くなるのは、やはり「死んだ筈のポップの魔法による攻撃」

ではないでしょうか。

 

ゴメちゃんの力による奇跡、というと簡単なのですが

死の世界に歩き続けるポップを引き止めたのはゴメちゃんの必死な心ですし、

レオナ姫のザオラルは成功しなかったものの

ずっと蘇生魔法をかけ続けていた状況だったから

起きた現象なのでは、と思っています。

 

死して尚、死の世界に行く直前で踏みとどまって、

親友の為に放った一撃は、精神が離れてしまった体さえ動かした、と。

 

ダメージ自体は与えられずとも、あの一撃はバランの「人の心」を乱すのに

充分すぎるものだったでしょう。

 

だからこそ、バランは戦いの後にポップに竜の血を与えて去ったのだと思います。

 

ところで、竜の血で生き返れるのは相当な精神力の強さが必要だと

後に同じく復活したラーハルトが言っていますが、

半魔族のラーハルトでさえ何週間も掛かったところを

一瞬で戻ってきたポップはやはり大魔導士たる人なんだと感心しますよね。

 

勿論、ゴメちゃんに引きとめられていたのと、

姫のザオラルで保護されていたのも手助けになっているとは思うのですが

作中最強クラスの戦士、ラーハルトを以って

すぐに復活とはいかないのを考えると

後のポップの大躍進も当然なんだと納得します。

 

制作裏話的なところで言うと

当初の計画から言うと、ポップはここで死亡。

そのまま大魔王戦へ、という流れだったそうです。

 

………よ、良かった~読者アンケートで人気あって!!

WJがよくやる人気作品の引き伸ばしが入った為、

ストーリーを組み直してポップ復活に至ったらしいので

今となっては、本当に良かったと言わざるを得ません。

 

大魔王に真の姿みたいなのがなかったとしても

ダイの勇気の源はポップだもの。

親友を欠いた状態で勝てるわけあるかい。

あのメラの威力をポップ以外に誰が看破すんのよ。

 

ホント、この時ばかりはグッジョブ人気作引き伸ばし!

でも作家さんの身体が心配なので話し合って決めて!

 

 またまた語りたいことが多くて長くなってしまいました。

全部かいていたら記事が10個くらいになりそうなので

次で終りにするつもりです。

たぶん(`・ω・´)b